彼の瞳に見つめられる度高鳴る心音は何故だろう。 彼の白い肌に指を這わす度漏れる詠嘆は何故だろう。 食欲?…性欲? ――それとも… 「馬鹿馬鹿しい…」 雑念を振り払う如くカミュは己を嘲笑う。 薬を服用していても、安全な調理方さえ見つかれば食する事は可能だ。 そう、それまでの我慢、だ。 ... 続きをみる
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「…カミュ…?」 友の異変に気付いて、ミラーが不安げな音を漏らす。 「…興奮したせいで急に酔いが来たようだ。すまないが、この話は改めてという事で良いだろうか…」 「あ、ああ。大丈夫、か?顔が真っ青だが…」 「ああ…」 何とか笑顔を作って見せると、ミラーも安堵したように笑った。 口は悪いが、根... 続きをみる
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「私といながらナニ考えてるぅー!?私といる時は私の事を考えろおー!!」 意識を急激に引き戻したのは、ミラーの大人気ない癇癪だった。 「いくつだ君は…」 「かみゅよりひゃっこ下!かみゅよりちょうやんぐ!!」 酔っている…見事な泥酔状態だ。 人に密度の濃い質問を投げつけて置いていい気なものだ。 ... 続きをみる
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朝は軽く炙った小鳥を一羽。 昼はハーブを食わせた馬肉の美味しい所を刺身で少々。 そして一日を締めくくるべくディナーには…ここ2ヶ月、何も頂いていない。 最高の食材しか許せないという私の美食意識が、常に食欲の邪魔をするのだ。 ねえ、君は一体いつになったら私の胃袋に収まってくれる? 正直…... 続きをみる