百年越しの初恋の君2※BL※一部性的表現アリ

kyuto45

「…ミラー…こんな時にナニ考えてる…?」


 耳元に低い息を吹きかけられて、己の思想が顔に出ていた事を知った。


「…無論、セックスのことさ」


 本当の事なので、明け透けに答えてやる。


「笑いながら、か?マジで淫乱だな、アンタ…」


 私の言葉に気分を煽られたのか、男は埋め込んだ指を激しく動かし始めた。


「…は…あ!」


 暗幕が垂らされた室内に、淫らな水音が響き渡る。


「聴こえるかい…?アンタがすました顔で奏でるヴァイオリンより、よっぽどイイ音だろ…アンタ自身の音色だぜ…」


 クッと喉を鳴らして男も笑う。体内をぐるりとかき混ぜるのも忘れずに。


「んあ!いや…あ!も、い…っ!」


「ん?イく?それとも…」


 いつの間に衣服を取り払ったのか。

 男は指を挿したまま僅かにずらし、そこに質量を増した熱を擦り合わせた。


「ああ…!そ…ちょ…うだい…っ」



 切望をダイレクトに突きつけられて、意のままに紡いでしまう。


「ハッ!いいぜ…俺もアンタの中に入れてぇ…だが、条件がある…」


「…条、件?」


 息も絶え絶えに訊くと、男は唇が触れる程に顔を寄せて言った。


「俺のこと、好きって言えよ…」



 また、それか。

 


「そんな、言葉に…何の意味がある…?」


 黄玉の眸を見つめ、顔にかかる白銀の髪に指をもつれさせて、甘えた声を出してやる。


「クッ…意味なんか…今更求めちゃいないさ。ただ媚薬代わりに、アンタの口から愛が聴きたいだけだ…」


 そう言うと、男は私自身を軽く爪弾いた。


「ん…!」


 僅かな接触なのだが、余裕の無い私はそれだけで果てそうになる。


 けれど、やっぱり足りない。


「…なあ…こんなんじゃ満足出来ないんだろ?アンタ、俺以外の男にもカラダ開いてるんだよなあ?そんな多淫な公爵様が、前の刺激だけでイける訳ナイ…だろ?」


 男は嘲笑うように告げると、停止していた指を一本ずつ引き抜いて行った。


「やっ、抜、くな…!」


「ダメ。アンタが言わないなら、俺はこの手で自分を慰めてやらないと。…アンタと違って、俺はコッチでもイける、男、だしな」



 単語を強調して、彼は指をまた一本引き抜く。


「く…!馬鹿に、するなよっ」


「するさ。アンタ今の自分の立場分かってんのか?男に組敷かれて、突っ込んでって腰振っておねだりなんかして。まるで犬……イヤ…」


 ニヤリと唇を歪ませて、男は愉快そうに。



「ニンゲン、だな」


 禁句を紡いだ。

 


「旦那様、この者の処分は如何致しましょう?」


 静謐が保たれた寝室に、執事のテノールが反響する。


「『おもちゃ箱』行き…と言いたい所だが、カミュにバレるとマズいからな。適当にバラして契約農家に飼料と銘打って送っておけ」


「畏まりました」


 用件を了承して、執事は男を闇に引きずり込んで行った。


「ふう…」


 精液と血の匂いが入り混じる空間に身を委ね、私は漸く人心地つく。


 これで、何人目だ?


 我ながら、つまらない事で沸点に達してしまう気の短い奴だと思う。

 物の数にもならぬ『旧人類』…ニンゲンの言う事等、適当に捨て置けば良いものを。


 ついつい、手が出てしまう。


 何故、なんて。

 理由を手探る必要もないが。



 『俺のこと、好きって言えよ』


 蘇った男の声が、胸に波紋を呼ぶ。


「馬鹿だな…言葉に意味なんかないと言ったのは、私の方なのに」


 今度は己が嘲笑う番だった。



つづく



いきなりえろくてすみません( •̀ㅁ•́;)エロはこれだけですのでお許しください。

いつもありがとうございます🤗