百年越しの初恋の君2※BL※一部性的表現アリ
「…ミラー…こんな時にナニ考えてる…?」
耳元に低い息を吹きかけられて、己の思想が顔に出ていた事を知った。
「…無論、セックスのことさ」
本当の事なので、明け透けに答えてやる。
「笑いながら、か?マジで淫乱だな、アンタ…」
私の言葉に気分を煽られたのか、男は埋め込んだ指を激しく動かし始めた。
「…は…あ!」
暗幕が垂らされた室内に、淫らな水音が響き渡る。
「聴こえるかい…?アンタがすました顔で奏でるヴァイオリンより、よっぽどイイ音だろ…アンタ自身の音色だぜ…」
クッと喉を鳴らして男も笑う。体内をぐるりとかき混ぜるのも忘れずに。
「んあ!いや…あ!も、い…っ!」
「ん?イく?それとも…」
いつの間に衣服を取り払ったのか。
男は指を挿したまま僅かにずらし、そこに質量を増した熱を擦り合わせた。
「ああ…!そ…ちょ…うだい…っ」
切望をダイレクトに突きつけられて、意のままに紡いでしまう。
「ハッ!いいぜ…俺もアンタの中に入れてぇ…だが、条件がある…」
「…条、件?」
息も絶え絶えに訊くと、男は唇が触れる程に顔を寄せて言った。
「俺のこと、好きって言えよ…」
また、それか。
「そんな、言葉に…何の意味がある…?」
黄玉の眸を見つめ、顔にかかる白銀の髪に指をもつれさせて、甘えた声を出してやる。
「クッ…意味なんか…今更求めちゃいないさ。ただ媚薬代わりに、アンタの口から愛が聴きたいだけだ…」
そう言うと、男は私自身を軽く爪弾いた。
「ん…!」
僅かな接触なのだが、余裕の無い私はそれだけで果てそうになる。
けれど、やっぱり足りない。
「…なあ…こんなんじゃ満足出来ないんだろ?アンタ、俺以外の男にもカラダ開いてるんだよなあ?そんな多淫な公爵様が、前の刺激だけでイける訳ナイ…だろ?」
男は嘲笑うように告げると、停止していた指を一本ずつ引き抜いて行った。
「やっ、抜、くな…!」
「ダメ。アンタが言わないなら、俺はこの手で自分を慰めてやらないと。…アンタと違って、俺はコッチでもイける、男、だしな」
単語を強調して、彼は指をまた一本引き抜く。
「く…!馬鹿に、するなよっ」
「するさ。アンタ今の自分の立場分かってんのか?男に組敷かれて、突っ込んでって腰振っておねだりなんかして。まるで犬……イヤ…」
ニヤリと唇を歪ませて、男は愉快そうに。
「ニンゲン、だな」
禁句を紡いだ。
◆
「旦那様、この者の処分は如何致しましょう?」
静謐が保たれた寝室に、執事のテノールが反響する。
「『おもちゃ箱』行き…と言いたい所だが、カミュにバレるとマズいからな。適当にバラして契約農家に飼料と銘打って送っておけ」
「畏まりました」
用件を了承して、執事は男を闇に引きずり込んで行った。
「ふう…」
精液と血の匂いが入り混じる空間に身を委ね、私は漸く人心地つく。
これで、何人目だ?
我ながら、つまらない事で沸点に達してしまう気の短い奴だと思う。
物の数にもならぬ『旧人類』…ニンゲンの言う事等、適当に捨て置けば良いものを。
ついつい、手が出てしまう。
何故、なんて。
理由を手探る必要もないが。
『俺のこと、好きって言えよ』
蘇った男の声が、胸に波紋を呼ぶ。
「馬鹿だな…言葉に意味なんかないと言ったのは、私の方なのに」
今度は己が嘲笑う番だった。
つづく
いきなりえろくてすみません( •̀ㅁ•́;)エロはこれだけですのでお許しください。
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