ドロローサ※詩

ドロローサ

ドロローサ


主よ、御霊は未だ瞳を傾けていらっしゃいますか


遙か昔に絶えたその道が


私には黎明よりも眩しく映るのです


崇めぬ者は罪でしょうか

漆黒は今も悪でしょうか


聖書を破り捨てた私に


御手は翳されないのでしょうか



それでも、私は



たとえば世界に蔑まれてでも


想いを突き通してみたいのです


でなければ、私の存在こそが


これを白く塗り潰してしまうのですから



ドロローサ

ドロローサ


道は険しく、濁った雨が降り注ぐ


けれども私は、愛おしさをやませはしない


これは私の、唯一辿るべき道

クロスも曲がり道も未だ見えぬ道


そんな道を、私は歩き続ける



――主よ、御存知ですか


貴方の歩かれたその道が

茨に覆われたその道が

嘲笑を浴びせられたその道が


今も尚、密かに伸びている事を



祈りが人を救うのならば


祈りは人を呪うのです



――それでも


それでも私は己を信じます


貴方を信じ切れなかった、私を



ドロローサ

ドロローサ…


私は一匹の白い羊であるけれど


傍らに寄り添う黒いこれもまた、同じ羊であるのだから


丘の向こうは明るいのだと、信じられるのです



道は、変えられるのだと

 

end




※ドロローサ(悲しみの道)とは、イエスが茨の冠を被らされ十字架を背負って歩いた、ゴルゴダの丘までの道のことです。

ハニーが私を励ます動画で詩を褒めてくれたので詩をアップ(●´ϖ`●)ありがとうハニー。